第九回 ヒプノセラピーの用途 (7) 不眠症

深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけることで目標達成や問題解決を目指すヒプノセラピーには、実に様々な用途があります。数回にわたり、代表的な例をご紹介していきたいと思います。

今回ご紹介するのは不眠症の改善です。不眠症で悩まれている方は多いと思いますが、不眠症はヒプノセラピーによる効果が高いことで知られる症状の一つです。

不眠症でセラピーに来られたら、まずは不眠症の原因について話し合います。何か心配事やストレスがあり、それが原因となって不眠になっていることが既に分かっている場合は、その原因を取り除いたり軽減したりするためのセラピーを行います。それによって不眠症も自然に改善することがよくあります。

「寝たいのに寝られない」という時には多くの場合、「寝たい」という思いと同時に潜在意識のどこかに、それとは矛盾する「寝るべきではない」「寝てはいけない」という思いが存在します。そういった相反する思いを対話させることで、その原因を理解し、双方が納得のいく解決策を導き出す「パーツ(Parts)セラピー」と呼ばれる手法を使うこともあります。そこで出てくる解決策はクライアントさんご自身の潜在意識が導き出すものなので、他の人から与えられる一般的なアドバイスよりもずっと的確で受け入れやすく、非常に効果的です。
​
また、リラクゼーションやイメージ法のテクニックを身に付けることも非常に役立ちます。セッションの際に、ご自分でできる方法をお教えしますので、繰り返し練習することで、自分で自分の心身を心地よくリラックスさせ、眠りに入りやすくすることができます。不眠症でお悩みの方はぜひご相談ください。