嫌なことがあったり、ネガティブ思考や満たされない願いなどが浮かんできたりすると、私たちは多くの場合、無意識に次の3つのパターンのうちのどれかを行います。
①嫌なことを反芻したり、そこからさらにネガティブなストーリーを作り上げたり、自分を責めたり、過去の出来事を思い出したりする。ストレスや怒り、不安がふくらむ。
②ネガティブ思考/感情を打ち消そうとしたり、ネガティブ思考がやめられない自分を責めたりする。否定してもネガティブな感情がなくなることはない。
③苦しい感情から気を紛らわすための行動(過食、アルコール/薬物依存、インターネット/ゲームなど依存的な行動)をとる。その後は後悔や自己嫌悪の念に襲われる。
いずれもパターンも心を軽くしないばかりか、さらに心の苦しみを増幅させてしまうことになります。
ラディカル・アクセプタンスでは、まず一息ついていったん立ち止まります。そして、浮かんでくる想念すべてに対して、上記のような無意識のパターンにハマることなく、しっかり見て、優しく寄り添うように共感していきます。思い通りにならない現状、満たされない思い、つらい気持ち、自分の至らなさ、体の痛み、過去の記憶、将来の不安もすべて、浮かんでくるまま一つ一つ見ていきます。何が浮かんできても、避けたり、抵抗したり、囚われたり、否定したりしないで「そうだね」と温かい目で見ていくと、やがてそれらは自然に形を変え、通り過ぎていきます。自分の心がゆったりとした広大なスペースになっていて、中で雷雨や暴風が吹き荒れても、自然におさまっていくまで優しく微笑んで通らせてあげるイメージです。
これを習慣にしていくと、心が軽く自由になっていきます。また、心が苦しみで疲弊することが減ると行動する力が湧いてきます。