* サンフランシスコ・ベイエリアの情報誌、J-Weeklyに毎月連載しているコラムです。
第五十八回 分離や分断を超えて(1)
第五十九回 分離や分断を超えて(2)
昨年書いていたテーマの続きで、特定の相手や社会、グループとの関係のとらえ方を変える「ソーシャル・パノラマ」というイメージ法についてお話します。今回は、「上司など、自分より立場が上の人に苦手意識があり、うまく自分の意見を言えない」という場合を例にして、この手法の使い方をご紹介します。
①まずは自分が空間にいるところをイメージします。前後、左右、上下に360度の空間が広がっていて、それがあなたのメンタルスペースです。②苦手意識を持っている相手は自分から見て前後左右上下のどこに位置しているでしょうか?あなたからの距離はどのくらいでしょうか?目線は自分と同じ、もしくは上か下でしょうか?どのくらいのスペースを占めていますか?(回答例:自分の正面で距離は1メートルほど、相手の目線は自分より上にある。スペースは等身大よりも少し大きい)③その位置がどんなふうに変わったらもっと心地よい関係に感じられるでしょうか?(例:正面から左側に移動させ、距離を3メートルに遠ざけ、自分と同じ高さにし、等身大より小さくする)④あなたにあってその人にない好ましい性質は何か思い浮かべてください。(例:相手の気持ちを思いやるところ)⑤その好ましい性質をその人に送るイメージをします。
人間関係で苦しみを感じる場合、心の中のソーシャル・パノラマにおいて、その相手に重要な位置を与えてしまっている可能性があります。距離が近すぎるのかもしれませんし、脅威やストレスに感じやすい場所に大きな位置を占めているのかもしれません。メンタルスペースの中での距離や位置関係を変えてみると、不思議なことにその人に対して持つイメージが変わってきます。また、自信や自己肯定感の低い方は、ソーシャル・パノラマにおける自己イメージを強化することも大切です。
ここでは紹介しきれませんが、とてもダイナミックで、様々なケースで効果を発揮するソーシャル・パノラマのセッションにご興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせください。