第十四回 ヒプノセラピーの用途 (12) 夢の理解

深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけることで目標達成や問題解決を目指すヒプノセラピーには、本当に様々な用途があります。数回にわたり、代表的な例をご紹介していきたいと思います。今回ご紹介するのは夢の理解です。

夢の理解と言っても、一般的に言われるような夢の分析や解釈の手法とは異なります。例えば「水にまつわる夢はこんな意味がありますよ」と専門家に教えてもらったとしても、水が持つ意味は個人個人で異なりますし、得られる情報は心理テスト程度の一般論にすぎないでしょう。

夢は潜在意識が作り出すものなので、夢に出てくるものはすべてその人の潜在意識の一部であると考えることができます。ヒプノセラピーではセッションの中で夢の登場人物（動物や物の場合もあります）になっていただき、対話を進めていきます。例えば誰かに追いかけられる夢を見たとすれば、「追いかけられる自分」と「追いかけてくる人」の間で対話していきます。

その中で登場人物の持つメッセージに気付いたり、自分の中の葛藤を解決したり、といった大きな転換のきっかけになることもよくあります。夢は潜在意識が作り出すものなので、セッションの中で夢に取り組むことで、そのまま潜在意識レベルでポジティブな変化を起こすことができるのです。
​
繰り返し見る夢や印象深く心に残った夢には大切なメッセージが隠されていることがよくあります。悪夢であれば解決してすっきりできるのはもちろんのこと、いい夢の場合も、夢の中で感じたポジティブな感情をセッション中に再度味わうことによって自信、達成感、愛情、幸福感などを高めることができます。はっきりとしたストーリーがなく、断片のイメージしかない場合でも、それを手がかりに広げていくことが可能です。気になる夢のある方にぜひお勧めしたいセッションです。