心理的な問題が体の不調となって表れることは珍しいことではありません。ストレスが血圧やホルモン、免疫などに影響を及ぼすことはよく知られています。不調があってもすぐに快復すればよいのですが、症状が長引いたり繰り返したりする場合や、治療を受けてもなかなか治らないような場合、ヒプノセラピーで心理的な課題に取り組むことで改善できることがあります。
もちろんヒプノセラピーは医療に置き換わるものではなく、適切な治療や健康的な生活が病気の治癒に重要なのは言うまでもありませんが、それらと組み合わせることで効果が期待できます。
病気になった時、自分を「不幸な被害者」であると考えてしまいがちですが、「私は何故この病気を必要としたのか?」と見方を変えることで、心の声に耳を傾けることができます。例えば、「忙しくて休みたくても休めない人が、病気になって初めて休むことができた」、「人間関係に悩む人が、病気になったら周りの人に優しくしてもらえた」といった場合、無意識にその病気を必要としてしまっていたという見方もできます。病気が治ってからも休息や良好な人間関係など、自分が望むものを得られるようにすることが大切なのです。
また、治療にネガティブなイメージを持っていると(例えばがんの治療のために手術や放射線療法、化学療法を受けるときなど)、その通りの副作用が起こりやすくなります。ヒプノセラピーでポジティブなイメージを持つようにすることで、不安や副作用を軽減し、治療の効果を高められる可能性があるのです。