私たちの意識は肯定と否定をうまく区別することができません。ここでひとつ試してみたいと思います。「サルがバナナを食べているところを想像しないでください。」いかがでしょうか?想像しないように試みる前に想像してしまいましたよね?このように、肯定、否定にかかわらず、私たちは提示されたアイデアに無意識に引き付けられてしまいます。
私たちが「失敗しないように」と思う時、頭の中は失敗のイメージでいっぱいになります。そしてイメージしたことは行動として現れやすくなります。
例えば大人が子供に「ミルクをこぼさないようにしなさい。」と言うと子供の頭の中にはミルクをこぼすイメージが浮かび、実際にミルクをこぼしやすくなってしまいます。そしてこぼしたら大人に「ほら、言ったでしょう!」と怒られてしまうのです。それを防ぐためには、子供がうまくいくところをイメージできるように「両手でゆっくり持ってね。」などの言葉をかけてあげるとよいでしょう。
私たち大人も「○○しないように」と思ったら、それを肯定形に言い換えていくことが有効です。これをリフレーミングと言います。例:「忘れないようにしよう→覚えていよう」「失敗しないようにしよう→うまくいくようにしよう」「緊張しないようにしよう→リラックスしよう」
深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけるヒプノセラピーにおいても、セッションで課題や問題に取り組んだ後には、その問題よりも、ご自分が望むあり方やイメージ、方向性にフォーカスできるようにしていきます。