今回は自分の過去の過ちに関する「罪悪感」についてお話します。罪悪感というのはなかなか、やっかいな感情です。怒りや悲しみといった感情は、あまり長期間持ち続けるよりも手放した方がいいと一般的に思われているので、時間の経過とともに薄れていくこともあります。その一方で、罪悪感は何となく「ずっと感じるべきもの、感じていなければならないもの」と思って持ち続けている人も少なくありません。罪悪感は苦しい感情で、それによって自分を罰し続けることはエネルギーを消耗し、自分の幸せや成功を妨げることにつながっていきます。
そもそも、元をたどっていけば、罪悪感の元になった出来事も、完全に自分の落ち度であったとは言い切れないこともあります。後から見れば「もっと違う行動が取れたのに」と思うかもしれませんが、その時の状況や当時の自分の知識や能力、他の人との関係など、様々な要因があって仕方のなかったことである場合が多いものです。また、「〇〇すべきなのにできなかった」「△△するべきでないのにしてしまった」という場合は、元々の前提である「すべき」「すべきでない」という考え自体が思い込みである場合もあります。
罪悪感を罪悪感のまま持ち続けることは実はほとんど役に立たず、自分や周りの人を幸せにしません。罪悪感が役に立つ場合があるとすれば、それを今後のポジティブな行動や変化に結びつけていける時でしょう。失敗を繰り返さないように次回は違った行動をする、もし誰かに悪いことをしてしまった場合、可能であればその人に謝る、償いをする、可能でなければ代わりに誰かの役に立つ行動をしてみるなど、後悔を昇華させていく方法はいろいろあります。
もし心に抱えている罪悪感があれば、本当にその感情は持ち続けるべきなのか、そして自分や周りをハッピーにするための行動に結びつけることはできないか、今一度考えてみてはいかがでしょうか。