前回のコラムに書いたように、潜在意識はちょっとしたことでコロコロ変わるというわけではありません。ですが、長期間に渡って繰り返される言動は少しずつ心の奥深くまで浸透し、以下のような変化が潜在意識に生じます。
①繰り返し行う動作や反応はだんだん習慣や行動パターンとなる。
例:爪かみ、貧乏ゆすりなどの癖、喫煙、飲酒などの習慣、後回しにする、遅刻、夜更かしなどのパターン、姿勢など
②よく目にしたり耳にしたりするメッセージは心に残り、当然のこととして受け止められるようになる。
例:コマーシャルやブランド名をよく目にする製品に親しみを感じる。よく聞く政治メッセージを当然のことと思う。
③セルフトーク(自分に対して語りかける言葉)は信念や性格の一部になっていく。
例:「どうせ自分には無理」と思う癖のある人は、新しいことに取り組むのが難しくなる。
これらの一つ一つは小さなことかもしれませんが、ある意味、とても強力であり、私たちを支配していると言っても過言ではありません。なぜなら、こういったパターンは、私たちの意思の力が働く前に、自動的に言動や感情をコントロールするからです。
深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけることで目標達成や問題解決を目指すヒプノセラピーは、潜在意識に定着したネガティブなパターンを、自分にとってより好ましいものに変える手段として有効であることが知られています。