前々回より、子供は「常に催眠に近い状態にいる」ことについてお話ししています。大人よりも柔らかい頭、柔らかい心のまま過ごしている子供は洗脳されやすく、トラウマを受けやすい特徴があります。
コロナウィルス対策の休校や外出規制によって、お子さんのいらっしゃる方は一日中一緒に過ごすことになり、普段よりイライラが募る場面も多いのではないでしょうか。つい言わなくてもいいことまで言ってしまうこともあると思いますが(私自身も多々あるので、自戒の意味も込めて)子供にかける言葉についての留意点について書かせていただきます。
例えば、散らかしっぱなしにする子供に対し、ついカッとなって「あなたは本当に片付けができない子ね」などと言いたくなりますが、子供に「自分は片付けができない」と思わせてしまうのは得策ではありません。人は誰しも自分の自己イメージに基づいて行動するので、子供自身が「自分は片付けができない」と思っていれば実際に行動もその通りになってしまうからです。また、人格を否定するような言葉は自己肯定感を傷つけ、自信を失わせてしまうので注意が必要です。
それではいつも褒めていればよいのでしょうか?何かがうまくできた時や、勝負で勝った時ばかり褒められていると、それがコンフォートゾーン(あたりまえの状態)になり、簡単に成功できることしか取り組まないようになったり、うまくいかなかった時に必要以上に傷ついてしまったりする可能性があります。長い人生の中ではうまくいかないことも負けることも必ずあるので、そのような時に底力を見せられる子になってもらうには「失敗しても、難しいことに挑戦したこと褒める」「頑張ったことや、以前より進歩したと点を認める」といったことをお勧めします。
教育心理学で有名なピグマリオン効果というものがあります。教師から期待された生徒は実際に成績が向上するという現象です。親としても、今できていないことばかりに目を向けて「あれもこれもできない子」と思って育てるよりも、根拠がなくても「いろいろな可能性のある子」だと思って育てることを心がけたいものです。