想像(イマジネーション)は潜在意識によって行われます。顕在意識が行う思考が言葉によって行われるのに対し、想像には五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)が使われます。例えばレモンを輪切りにしているところを想像すると、レモンの色、形、切る時の音、レモンの香り、味、レモンを持つ手の触感などを思い浮かべることができます。
私たちがこのように五感をフル活用して想像の世界に入る時、顕在意識はいつもよりスローダウンし、潜在意識が活発になっています。つまり催眠と非常に近い状態になるのです。
そしてこのとき脳は、想像したことと現実のことをはっきりと区別しません。先ほどの例で言えば、切ったレモンを口に入れるところを想像すると、実際に口の中に唾液が出てきます。これは脳が、実際に口の中にレモンがあると認識して「口の中が酸性になっているから唾液を出して中和しなさい」と司令を送っているためです。
恐れていることを何度も繰り返し想像してしまうと、心に不安やストレスを感じるだけでなく、実際にあたかもそれが起こっているかのように体が緊張し、消化系や免疫系がうまく働かなくなってしまうことがあるので注意が必要です。逆に、南の島のビーチでのんびりしているところを五感でイメージすると、本当にその場にいるのと同じリラックス効果が心にも体にも表れるのでお勧めです。
深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけるヒプノセラピーにおいても、目標達成や問題解決のためによくイメージ法を活用します。心身に大きな影響を与えるものだからこそ、想像力を自分の味方にしていきたいものですね。