第十八回 ヒプノセラピーの仕組み（1）

深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけることで目標達成や問題解決を目指すヒプノセラピーが効果的な理由をこれから数回にわたってお話したいと思います。

さて皆様は新年の目標を立てられましたでしょうか？私たちは誰でも「頭では○○したいと思っているのに、なかなかできない」、「××をやめたいと思っているのになかなか止められない」という経験をします。それは多くの場合、頭では変化を起こしたいと思っても潜在意識ではそう思っていないためです。

それでは潜在意識が変化を起こしたがらないのはなぜでしょうか？人間の心身には、変化を嫌い、環境に対して状態を一定に保とうとするホメオスタシスという仕組みがあります。それが自分にとってポジティブな変化であっても、潜在意識はなかなかGOサインを出してくれないのです。

さらに、私たちは心の中に様々な気持ちを持っています。例えば、ダイエットをしたいと考えている一方で、「どうせ自分には無理」「できるか不安」「大変そうで不安」「リバウンドが怖い」「やせるべきではない」といった思いを抱えます。相反する思いを持つことは自然なことである一方、目標達成に向けて行動しようとした時のブレーキになってしまうのです。

そのような場合に効果的なのが潜在意識への働きかけができるヒプノセラピーです。深くリラックスした状態では、普段はっきりと意識しない感情についても理解することができます。上記の例で言えば、ダイエットをすることへの不安の原因を理解し、その不安が軽減されるような解決策を探し出す、といったアプローチが考えられます。

また、変化を嫌うという人間の性質に関しては、変化をあたかも現実に起こっていることとしてイメージすることで受け入れ、望む方向に進みやすくしていきます。