例えば自己肯定感が低く「自分には価値がない」と思ってしまいがちなクライアントさんがいらっしゃったとしたら、以下のような流れで退行催眠を行います。
まずはリラックスをしていただいた状態で、次の二つの質問をします。①その感情が過去の出来事に関係しているかどうか?②その過去の記憶に戻ることに意味があるかどうか?①と②の答えが両方Yesの場合のみ、退行催眠を行います。①はYesで②はNoの答えが返ってくることもよくありますが、その場合は他の方法でセラピーを行います。
次に「自分には価値がない」という感情を強く思い浮かべていただき「その感情に関係のある過去の場面に行ってください。」とお願いします。過去の場面が浮かんできたら「今何歳ですか?どこにいますか?」のような質問をすることでその状況を把握します。
そしてその時に感じた強い思いを言葉や体で表現する、その場面の登場人物との対話を行う、その出来事がどのように今の自分に影響を与えているのか等を分析する、といったことを、無理のない範囲で行っていただきます。
出てくる過去の記憶は、自分でも問題の原因だと推測していた記憶のこともあれば、母親の胎内にいた時の記憶など、それまですっかり忘れていた記憶であることも多々あります。
次回はこういったプロセスに効果がある理由についてお話しいたします。