深いリラクゼーション状態で潜在意識に働きかけることで目標達成や問題解決を目指すヒプノセラピーには、本当に様々な用途があります。数回にわたり、代表的な例をご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するのは自尊心や自己評価の向上です。 アメリカで生活していると、思ったことが英語でうまく伝えられずに自己嫌悪に陥ったり、自己主張の上手な周りのアメリカ人よりも自分が劣っているのではないか、と感じたりする場面を経験されたことがある人は多いのではないでしょうか。言語や文化の違うところに住む以上ある程度は仕方のないことですし、皆さん、だんだんそういった状況にも慣れ、乗り越えていかれることと思います。
ただ、時間が経っても「自分はダメだ」「どうせできないだろう」「希望が持てない」といった考えにとらわれることが多く、なかなか新しいことへの取り組みや能力の発揮が難しいというような場合には、ヒプノセラピーが役立つことがあります。セッションの中では、成功体験を思い出して自信を取り戻したり、ポジティブな暗示を使うことで自信を高めたり、といったことを行います。
また、もともと自尊心や自己肯定感が低い場合、育った環境や、過去に起こった出来事が原因になっていることがあります。例えば、親や先生などに言われた言葉で自尊心を傷つけられた、何かの失敗体験を強い自己否定に結び付けてしまった、等が挙げられます。
顕在意識ではそういう出来事があったことを覚えていなくても、催眠の中でその場面に戻り、その時に感じた感情を解放する(例:記憶の中にある人物との対話等を通して怒りや悲しみを解放)、誤解を解く(例:親が言ったことが真実だとは限らない、失敗したからといって能力がない訳ではないことを理解)、といった働きかけをすることが可能です。