コロナウィルス対策のShelter-in-Placeが始まって1ヶ月以上経ちますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
実際にご自分や身近な人が感染してしまった方や、仕事に影響があり収入が減ってしまった方などはもちろん、そこまで深刻な状況でなくとも、誰もが大きな生活の変化を強いられ、皆様いろいろな不安やストレスを抱えておられることと思います。私自身、Shelter-in-Placeが始まってしばらくしてから、この重苦しい気持ちは何なのだろう、と考えていた時に、ハーバード・ビジネスレビューの「その不快な感情の正体は悲しみである」という記事を目にしました。悲しみや喪失について研究する専門家のデーヴィッド・ケスラー氏のインタビュー記事です。
その中で最も印象に残ったのが、今、私たちは誰もが「これまでの通常の生活」を喪失している状態にあるという指摘です。コロナウィルスが収束した後も、完全に以前の世界に戻ることはないでしょう。その喪失の痛みや悲しみをまず認めるということが一つのステップになるということです。「自分よりもっと大変でつらい状況にいる人がいるのに、自分はこの程度で落ち込んでいてはいけない」と思う方も多いでしょうが、自分が自分の感情を抱く時に、他の人と比較する必要はありません。また、感情は感じないようにしようと思っても消えて無くなったりせず、むしろ抑圧された状態で残り、気分の落ち込みや怒りとして表れることもあります。さらに今、私たちはこの不確実な状況の下で、悪いケースを想定する時に抱く「予期悲嘆」も感じています。
まずは喪失の悲しみを認め、それを感じる自分を受け入れる。その上で、よりバランスのとれた考え方をしていくこと、未来を悲観するばかりではなく「今」にフォーカスすること、お互いに助け合っていくことなどが勧められています。とても参考になる記事ですので、ぜひ皆様にも読んでいただければと思います(https://www.dhbr.net/articles/-/6673)