前回、子供は「常に催眠に近い状態にいる」ことについてお話ししました。大人のように顕在意識にガードされておらず、柔らかい頭、柔らかい心のまま過ごしている子供は、洗脳されやすく、トラウマを受けやすい特徴があります。今回と次回のコラムでは、周りにいる大人がどのような点に留意したらよいかをお話ししたいと思います。
よくあるケースで考えてみましょう。親が子供に挨拶をさせたい場面で、子供がモジモジしてしまい、うまく挨拶や受け応えができないことはよくあります。元々恥ずかしがり屋の性格でなかったとしても、子供の頭の中では、「この人は誰だろう?自分にとってどのような関係の人なのか?何をしたらいいんだろう?」と様々な思いが錯綜し、軽いパニック&思考停止状態になり、適切な行動が取れなくなるのです。
そのようなタイミングで毎回親が「この子は恥ずかしがり屋なものですから」と言ってしまうと、子供は①自分は恥ずかしがり屋であり、挨拶が苦手である。➁モジモジしていれば親が代わりに受け応えしてくれる。ということを学びます。また相手の人も優しく「恥ずかしいよね」とフォローしてくれたりもしますが子供は「挨拶をするのは恥ずかしい」と学習してしまいます。これが何度も繰り返されると、その子の性格にどのような影響があるでしょうか?繰り返し言われた言葉は心に残り子供はそれに沿った行動をとるようになります。特に思考停止状態で言われた言葉はストレートに潜在意識の中に入ってくるので強力な暗示になります。
お勧めなのは「挨拶の練習中なものですから」とフォローしたり「次は頑張ろうね」と励ましてあげたりすることです。そうすれば、子供は「今、自分は挨拶を練習しているところなんだ、次に頑張ればいいんだな」と思うだけで、性格に影響を与えることはありません。また、挨拶ゲームや人形を使った挨拶ごっこをしたりすることで、挨拶は楽しいことだという印象を持たせてあげるのも効果的です。